2009年5月18日月曜日

しらびそヒルクライム BR-1 (by han)

今季初となる実業団レースです。旧カテゴリでのBR-1昇格が年初に決まっていましたが、実業団の制度改変によってTR制が導入されたこともあり、今年は新BR-1カテゴリにて走ります。

一週間前に急性膵炎で高熱を出し、4日間の点滴の末、4kgも体重が減るという状況の中、一体どれぐらい走れるのかかなりの不安がありました。降水確率は雨100%で、現地に向かう高速道路も霧が出ている中、もしかしたら中止になるかも、むしろ現状ではその方が好ましいかもと淡い期待を持っていました。

しかし、現地に入ると中止の気配は一切ありません。こうなれば、現状できるベストを尽くすしかありません。むらさんが前日入りして場所を確保してくれていたおかげで、BR-1:3名、ER:2名のチームメイトが無事に合流できました。これだけチームメイトがいると心強いですね。

しらびそに出るのは今年で3回目ですが、これまでとコースレイアウトが変わり、下栗から上るコースになりました。昨年までのコースは比較的一定の勾配が続き、ラストにドカンと上るコースでしたが、今年は距離、標高差ともに伸び、急登や平地のある変化に富んだコースです。BR-1のエントリは90名ちょっとですが、前から1/3ぐらいの位置にチームメイトの鮎ちゃんと並びます。

スタート直後、体感的にはかなり速いペースに感じました。30番手ぐらいを走っていますが、すでにいっぱいいっぱいの感じです。先頭は見えないので、すでに置いていかれているのかもしれません。鮎ちゃんが前方に移動していきましたが、病み上がりだからと自分に言い聞かせつつ、無理をしないように抑えます。

集団が落ち着いたところで、我慢しながらペースとちょっとずつペースを上げて、まずは鮎ちゃんに追いつきます。しばらく着かせてもらうつもりでしたが、鮎ちゃんも苦しそうなので、先に行くことにします。とにかく前の人から千切れないようにだけ気をつけて急登区間を我慢すると、今度は平地区間に入ります。ここで、前方に先導車が見えたので、自分のいる集団が先頭集団であることに初めて気づきました。後ろを振り返ると誰もいないので、いつの間にか先頭は10名程に絞られたようです。平地区間は金魚の糞状態で後方にくっついていきますが、雨の飛沫やグレーチングのため、結構大変です。ですが、確実に回復してきましたので、もしかしたら結構いけるのかもと錯覚しました。

下栗の集落に入ると、再び急登区間が始まります。しかも、ところどころコーナーにグレーチングがあるため、タイヤを滑らさないように神経を遣います。ここで、チーム光の選手2名がメカトラブルらしく後退し、集団は8名になりました。雨のため、機材への影響もシビアになります。自分もだんだんと苦しくなってきて、グレーチングをゆっくり越えてからの追いつきが厳しくなってきます。ロッジ下栗付近まではなんとかくっついていましたが、その後、急登がさらに厳しくなり、少しずつ遅れ始めました。

ファイナルギアは34×23Tでしたが、ついついもう一段下げようと操作をしてしまいます。路肩に距離の表示が1km毎に出ているのですが、まだ半分もあるのかと思うとゾッとします。自分のペースもガクッと落ちたわけではなく、先頭集団が見えている状態が続きます。気持ちは切れかかっているというより実際には切れていると思うのですが、時折ダンシングを交えながら気合を入れ直します。

そうやって我慢の走りを続けていると、前から一人落ちてきました。一人旅を続けるよりは二人で行きたいところですが、かなりダメージを負っているようなので、パスして先行します。そのまま黙々と一人旅を続けていると、後方から一気に抜かれました。まだ後ろに元気な人がいたのかと思いましたが、ゼッケンを確認すると3分後スタートのERのトップの選手でした。しばらく着かせてもらいましたが、結局我慢できずに切れてしまいました。

標高が上がるに連れて気温がぐんぐんと下がってきて、発する熱よりも奪われる熱の方が多くなってきました。おまけに所々で向かい風の突風が吹き、一人旅の身には堪えます。あと残り1/3ぐらいでしょうか。これまでの急坂が嘘のように平らになり、所々下りも現れます。下ハン握って個人TT状態となります。ここは集団で行きたいところですが、辛抱できずに切れてしまった後ではどうしようもありません。速度が上がるとリムの中に溜まった水がシャーッと音をたてます。頑張っているつもりでも、体はどんどんと冷えていき、周りに人もいないので、まるでソロでマゾヒスティックな練習をしているような気になります。

前方にハイランドしらびその建物が現れ、いよいよゴールが近いことが分かります。最後の上りの直線に入ると、前走者が目に入りました。しかしゴールまでに追いつくことはできない距離です。ですが、まわりの人たちが声援を贈ってくれるので、もはや順位には関係しませんが、最後の力を振り絞ってダンシングのままゴールに向かいます。そしてゴール。後半は何だか一人ツーリングみたいな感じで出し切った感はありませんでしたが、無事に走り終えることができました。

すぐに着替えを済ませましたが、なにしろ完全に冷えきってしまったので震えが止まりません。サービスのけんちん汁をいただくも、慄えてこぼしてしまったり、箸は持てないしで大変です。続々とチームメイトもゴールし、貼り出されたリザルトを確認します。私の順位は7位。惜しくも入賞はなりませんでしたが、病み上がりで満足に走ることすら危ういと思っていましたから、本当に上出来です。我ながら、病気になっても投げずにくさらず、よく頑張ったと思います。ERカテゴリではJunさんが惜しくも7位。残念ながら快レーシング勢はギリギリで入賞できませんでした。

帰りはメンバー5名で天竜峡まで行き、車で飯田ロードのコースを試走しました。昨年のつらさが思い出されてちょっとブルーになりました。今年はリベンジしたいところです。

結局、一日中雨でしたが、事故やトラブルもなく楽しむことができました。雨で一番大変なのはスタッフの方々だと思いますが、寒い中ありがとうございました。

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